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予想以上に軽快な保険見直し

保険は、通常保険契約者たる保険加入者と保険者たる保険会社の間で締結される契約の形をとり、しかもこの保険契約では、保険加入者は、保険会社に対して確率計算に基づいて算出された保険料を一括あるいは分割で前払いします。
これに対して、保険金が支払われるかどうかは、あらかじめ両者の間で定めておいた保険事故の生起にもっぱら依存しています。
保険事故が発生した場合には、保険会社は、保険加入者に対し確実迅速に保険金を支払わなくてはなりません。
したがって、保険会社は、何よりもその経営の安全性を確保し、いかなる場合にも契約に従って保険金を支払えるだけの資金を保持し、保険加入者の信頼に応えられるようにしておかなくてはなりません。
そこで、保険会社の経営の安全性、言い換えると保険金支払い能力の維持をめぐって、政府は保険産業に政策的な介入を行い、保険会社の経営に種々の規制を加えて監督し、保険加入者の利益の保護を図るわけです。
畑保険をめぐる消費者利益の保護今日では、保険は情報産業の一種といわれるほどに、保険事業の経営においては多くの分野にまたがる高度に専門的な知識が活用されています。
その代表が、保険料計算の基礎となる保険数学であり、保険契約の内容を定める保険約款と密接不可分の関係にある保険法学です。
保険の種類によっては、建築工学、造船工学、農学、水産学など、保険とは一見無線と思われるような専門分野の知識が不可欠であったりもします。
保険加入者とりわけ家計保険の加入者である消費者は、一般に保険に関する専門知識をほとんど持っていません。
したがって、一般の消費者が、保険に加入する際に保険の種類そのものの選択を誤ったり、契約内容・契約条件を不適切なものとしたり、契約内容・契約条件についての理解が不十分であったり、あるいは誤解をしていたりなどして、保険に加入しても十分に所期の目的を達成することができないということも起こりえます。
また保険会社の経営のあり方次第では、保険加入者にとって必ずしも必要ではない、あるいは適切とはいえない保険への加入を強引に勧められ、保険に加入することの意味を十分に理解しないまま、保険に加入してしまう、という可能性もないとはいえません。
先年しきりに新聞紙上などに取り上げられた変額保険をめぐる裁判が、その一例です。
そこで、政府が保険会社に対して種々の規制を加え、保険加入者の弱い立場の強化を図ります。
たとえば、保険契約の条件を定める保険約款には、私たちが日常生活で使用する言葉とはかけ離れた難解な文言や表現が長年にわたって多用されてきています。
しかも保険約款は小さな文字で印刷されていて、読みやすくはできていません。
こうしたことが、保険加入者と保険会社の間でのトラブル発生の一因にもなっています。
これらの問題の発生を防ぐために、政府が保険会社の経営に対する監督と規制を行います。
保険に加入して経済的保障を確保するためには、原則として危険の程度に応じた保険料を負担しなくてはなりません。
保険料負担能力のない者は、いかに保険の必要性を感じていても、保険に加入することはできません。
しかし、保険の経済的保障機能についての認識が高まってくるにつれ、可能なかぎり多くの国民・市民や企業が保険に加入しやすいようにするための、たとえば、次のような措置がとられるようになります。
保険料を可能なかぎり引き下げる。
保険料の支払い方法に分割払い方式を導入する。
保険加入に際して保険加入者に課される種々の条件を緩和する。
こうすることによって、保険会社は、新しい市場を開拓することができます。
政府は、こうした対応を指導奨励すると同時に、保険に関する税制上の優遇措置を講じるなどして、保険の社会的な普及を促進し、国民生活と企業経営が安定し、ひいては国民経済全体が安定的に推移していくことを期待するわけです。
さらに積極的に特定の政策目的を持って保険加入の可能性を広げようとするときには、政府が、非営利の保険事業を直接運営することがあります。
社会保険と-フランクリンとスマイルズの相互扶助論-1980年代以降,新保守主義が欧米諸国で台頭し,日本でも,英米から輸入された形で自助努力論が盛んに唱えられるようになりました。
生命保険は,そのための制度の典型とされています。
しかし,欧米のもともとの自助努力論者の姿勢は,現代のそれとは少し異なるようです。
アメリカ独立戦争の前後に活躍した政治家であり,科学者であり,著述家であり,実業家でもあったベンジャミン・フランクリンは,自助努力論者の一人でした。
ところが,彼は相互扶助論者でもあり,「危険に陥った場合にはお互に協力して荷物を運んで安全にすることを目的とする」組合をつくり,さらにそれを発展させて消防組合をつくっています(松本慎一ほか訳『フランクリン自伝』岩波書店)。
一方,イギリスでは,19世紀後半の著述家サミュエル・スマイルズが,そのものズバリの『自助論』(1859年)によって,一風大衆的な名声を確立しましたが,日本では,これを中村正直が『西国立志論』(1871年)として翻訳し,福沢諭吉の『学問のすゝめ』と並ぶ明治初期のベストセラーになりました。
ところが,『自助論』の結びは,「人は宇宙の間にありて、独り立つものにあらず,互いに相依頼し関係するものの一分なり」となっています(中村正直訳『西国立志論』講談社)。
呼ばれる国民・住民の基本的な生活の維持に資することを目的にした保険が、その典型です。
社会保険の保険料は、通常、個々の保険加入者の危険事情に応じて徴収されることはなく、保険料負担能力つまり所得・資力の多少に応じて徴収されます。
しかも保険料の一部を社会保険によって直接的な経済的保障を受ける国民・住民以外の第一二着である企業が負担したり、事務費・保険給付費などについての国庫負担・公費負担が行われたりするのが通例です。
自然条件に大きく左右され、保険事故発生の確率を正確に把握することが困難な上、ひとたび事故が発生すると巨額の損害をもたらすことの多い農林水産業に関連する危険を対象にした保険も、国営事業として初めて本格的な実施が可能になります。
風水害、地震、原子力などの巨大損害をもたらす可能性がある危険に対して、しばしば保険国営による対応が図られます。
これらの危険については、民間保険会社が提供する保険に対する再保険を政府が引き受け、民営保険と国営保険が協力して保険事業実施の可能性を拡張していく場合もあります。
再保険は、保険に固有の仕組みで、保険会社などが保険を引き受けることから生じる保険金支払いをめぐる責任に関しての危険を対象にした、いわば保険のための保険です。
近年の高度情報化の急進展は、保険産業にも大きな影響を与えてきました。
コンピュータを核にしたいわゆる情報革命は、保険業界の競争を激化させる一方で、保険経営の合理化・効率化を促進し、新しい保険の開発にも拍車がかかることになりました。
こうした過程を通じて、保険会社には膨大な個人情報が集積されることにもなりました。
一種の情報産業ともいえる保険の、自らが保有する保険加入者情報の管理をめぐる社会的責任は、これまでになく重いものになってきています。
ところが、二〇〇五年以来、生命保険・損害保険の別を問わず、多くの保険会社において、件数的にも、金額的にも、とても特異な事例とみなすことができない保険金不払いの事実が発覚しました。

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